アダルトサイトや出会い系サイトは運営がうまくいけば莫大な利益を生むサイトを作ることが可能なのは周知のとおりです。ただ、そのためかいろいろな詐欺サイトの温床になってきた歴史があります。
ここでは今問題になっているワンクリック詐欺について簡単に触れてみたいと思います
■ワンクリック詐欺って何?
ワンクリック詐欺というのはアダルトサイトなどで最近見かけられるようになった詐欺のことで、入会するつもりもないのにサイト内の、例えばアダルト画像のリンクをクリックすると、「入会ありがとうございます」などと書かれたページにとばされて、高額な入会金や利用料金などを請求される詐欺のことです。一度クリックしただけで強制的に入会させられてしまうので「ワンクリック詐欺」とよばれているようです。現実の世界では手紙や電話による「振り込め詐欺」がありますが、そのネット版といえるかもしれません。
■ワンクリック詐欺の手口
ワンクリック詐欺は手口がなかなか巧妙です。強制的に入会を促すページには自分のIPアドレスやリモートホストなどが記されていてあたかも個人情報をつかんだかのような書き方をしています。そしてもしお金が振り込まれなかった場合にはそういった情報から個人を特定し、会社や自宅などに押しかけてお金を請求しに行くという脅し文句などが書かれているようです。しかし、IPアドレスやリモートホストからでは契約しているプロバイダ以外は個人を判別できません。そしてプロバイダは裁判所などからの要請がない限り、個人情報を公開することはないのです。しかし、ネットに詳しくない人は怖くなってついつい支払ってしまうようです。
IPアドレスなど自分の環境に関する情報はヒミツの情報ではなく、ある程度ブラウザを通してばれてしまうものです。例えば以下のようなことはアクセス解析されればある程度判明してしまいます。
OSの種類(ウィンドウズ98やXP、マックなど)
使っているブラウザ(Internet Explorerやネットスケープなど)
IPアドレス
使っている言語(日本語や英語、中国語など)
パソコンの解像度(1024 x 768、1280 x 768など)
使っているプロバイダ(ヤフー、OCN、ODNなど)
所在する都道府県(プロバイダによってわかるものもある)
どのサイトのリンクから来たのか?
以上がすべて判明するとはかぎりませんが、使っている環境によっては判明します。ただ、これはヒミツにしなければ個人が特定されると言うレベルの情報ではありません。この程度のことはわかられているのがあたりまえだ、と思って詐欺サイトを見下すくらいの意識でいいと思います。参考までに自分の公開している情報を確認できるサイトへのリンクを貼っておきますので、確認してみてください。
確認君
■対処法について
一番やってはいけないのはワンクリック詐欺サイトに連絡を取ったり、実際に支払ったりすることです。そういうことをするとカモになるということで何度も請求されたり、カモリストとしてほかの悪徳詐欺業者に名前が売られる可能性があります。
対処方法としては、とりあえず怪しそうなサイトだなと思ったらとりあえずそのサイトの「規約」に目を通してください。なぜかそういうサイトでは規約にきちんとクリックした場合高額の請求を行うということが書かれています。つまり、ワンクリックサイトは規約にはきちんと書いてあるのに、目を通さなかったのが悪い、といいたいわけです。
しかし、たとえ規約に目を通さずにクリックしたからといって払わなければならないものではありません。「クーリングオフ」に代表される消費者を守るための法律がきちんとあるので、自分の意思に反して契約の義務が生じることはありませんし、生じたとしてもきちんと解約することができます。
まあ、ワンクリック詐欺の場合は最近ではきちんと罪であるという裁判の結果もでているので、たとえ請求をされても基本的には無視をすればOKです。まさか詐欺を行っている会社が裁判所に料金が未払いになっているという訴えをすることはないでしょう。どうしても心配な人は警察や消費者センターなどに問い合わせるようにしてください。
■サイト運営者からみたワンクリック詐欺
ワンクリック詐欺も基本的に詐欺を行うサイトへのアクセスがなければ詐欺なんてできません。そのためこういったサイトはある程度アクセス数のあるアダルトサイトに「一ヶ月何万円の広告料を支払うからページの目立つところにこのサイトへのリンクを貼ってほしい」という依頼をだします。こういった広告料金はサイト運営者にとってはのどから手が出るほどほしいものですから、ついワンクリック詐欺サイトへのリンクを張ってしまうようです。
このようにサイト運営者から見るとワンクリック詐欺サイトは自分の収入になるうれしいサイトに見えるかもしれません。しかし、よく考えればワンクリック詐欺サイトと提携することは自分の首を絞めることになることがわかります。
もしワンクリック詐欺サイトが蔓延して、利用者に「アダルトサイト=詐欺」という印象を与えてしまい利用者がいなくなったら、結果的には自分の収入がなくなることを意味しているのです。一時的に収入が増えたとしても、長い目でみれば自分の損になることは明らかな話です。
また、アダルトアフィリエイト大手のDTIもワンクリック詐欺への対処に乗り出してきたようで、もしDTIに登録しているサイトがワンクリック詐欺サイトへのリンクを張っていた場合、IDを凍結する処置を行うなど、厳しい姿勢で対処するそうです。さらに、アダルトサイト全体の信用にかかわる問題なため、相互リンクしているほかのアダルトサイトからリンクをはずされる可能性もあります。これらの措置をされてはサイト運営自体が成り立たなくなってしまいます。
アダルトサイトはアンダーグランドな世界に見えてそれなりの信用の上に成り立っている世界です。そういった信用を守ることが結局ほかの誰でもなく、自分の利益につながります。ですから、これからアダルトサイトを運営しようとする方も自分自身のためにワンクリック詐欺サイトには厳しい姿勢で対処していくようにしていきしょう。
■参考リンク
ワンクリック詐欺について勉強になるサイトへのリンクです。参考にどうぞ。
夢なら 「ワンクリック登録サイトについて」
DTI 「ワンクリック広告掲載について」