「アイコラ」というのは「アイドルコラージュ」の略称です。一般的にはアイドルの顔写真とヌードなどの写真を合成して、あたかもアイドルが裸になっているような合成写真のことを指しています。
アダルトサイトでは割と頻繁に見かける「アイコラ」ですが、アイコラはある権利を侵害しているということで、つい最近そのアイコラを掲載していたサイトの管理人が逮捕される事件がありました。
さて、アイコラが侵害してしまった権利というのはなんなんでしょうか?
■アイコラ写真が侵害するもの
アイコラ写真が侵害しているものは、そのアイドルの「肖像権(しょうぞうけん)」になります。肖像権というのは簡単にいうと、写真を他人に勝手に撮られたり、公表されたり、販売されたりしないための権利です。
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本来肖像権はその人本人だけがもつものですが、アイドルなど芸能人の肖像権はその人が所属する事務所が一括して管理しています。そしてその肖像権を売ることで芸能人というのはお金を稼いでいるわけです。特に顔を売っているアイドルはその肖像権に関しては事務所の方で厳しく管理がされています。
考えてみればあたりまえのことで、肖像権がなければアイドルがグラビアなどを出しても誰かに勝手に編集されて売り出されてはお金が稼げません。まあ反対に言うと肖像権を売る価値のある一握りの人がアイドルや芸能人になれるということになります。
さて。以上のことを踏まえる以前にアイコラなんて誰がどう見てもそれに利用されたアイドルがそれを作った人を訴える権利がありそうだと思いそうなものです。しかし、この辺がいろいろとややこしいところで、例えばアメリカではアイコラに関しては規制する法律はなく、逆にアイコラは法律で守られているのです。なんともおかしな話に見えますが、写真を撮られた人の肖像権を守るより、写真を加工した人の「表現の自由」を守るほうが民主主義の観点からは正しいのだそうです。
このあたりはいかにも自由の国アメリカらしい思想でそれはそれで結構なわけですが、アメリカで正しいものがすべて日本でも正しいわけではもちろんないです。肖像権に関してはそれを守る法律が日本に明らかにあるわけではありませんが、全体の流れとしてアイコラ写真に関しては違法性が高いものであるという認識のようです。
現にインターネット上でも逮捕者が出てしまいました。この逮捕されたサイトというのはアイコラを掲載していたわけですが、詳しくいうと自分が作ったアイコラ写真を掲載していたわけではなく、他の人が掲示板に投稿したアイコラ写真を放置していたということで、作った人とともに逮捕されてしまったわけです。
このあたりのことからもアイコラに関しては作った責任とそれを管理する責任に関しても今後いっそう厳しくなることが予想されます。なのでサイト内容にするのは控えたほうが無難です。実際に、ネット上で逮捕者が出て以来急速にアイコラサイトの閉鎖が進んでいるようです。
■ちょっと思うこと
アイコラ写真に関していつも思うのは、それはまあ確かに顔を掲載されたアイドルの人が肖像権を侵害されたと怒るのはもっともですが、顔から下を利用されたヌードのひとは怒らないんでしょうか?顔に比べれば見分けがつきにくいのは確かですが、写真の大部分はヌードの体の人が占めているわけです。割合からいえば少なくとも7対3くらいでヌードの人のほうが多く侵害されていると思うんですが、どうなんでしょう。